かめれおん日記

かめれおん日記
中島敦(著)山本善行(監修)
灯光舎

生徒から渡されたカメレオンを飼育する表題作。パラオ滞在中に出会った島民の女性を描く「マリアン」、南島に伝わる昔話を題材とした「幸福」を収録。合わせて中島敦の妹・折原澄子氏によるエッセイ『兄と私』も掲載しています。中国古典を扱った作品群とはまた違う、中島敦の魅力を感じ入ることのできる1冊です。

ーーー灯光舎 紹介文ーーー

小品をもって、作者や作品との出会い、本との出会いの場へと誘う「灯光舎 本のともしびシリーズ」第3弾は中国の古典世界を材にした『山月記』や『李陵』などを描いた作家・中島敦の作品3編をお届けします。

 パラオ滞在中に出会った島民の女性をユーモラスに親しみあるまなざしで描いた「マリヤン」、ある南の島に伝わったとされる昔話を題材に描いた「幸福」、そしてタイトルとなった「かめれおん日記」を収録。自身の望まぬ環境と喘息の持病に悩むある教師が、突然生徒から渡されたカメレオンを飼育することになる。その珍奇な小動物の観察から、「自身への呵責と省察」が思索的に展開し、現実と内面の世界を往還する。環境に適応できずに衰弱する「かめれおん」と何とか今の状況から脱却を試みる人間が鮮明に描かれる。

南島の自然や人々への愛情あるまなざしと自身の内面をえぐる鋭い観察に加えて、時にシニカルとユーモアを漂わせて精彩をはなつ作品たちをお届けします。また、中島敦の妹・折原澄子氏によるエッセイ『兄と私』を収録。兄・中島敦との想い出と人柄をていねいに描くみごとな文章も必見。

目次

・マリヤン
・幸福
・かめれおん日記
・兄と私
・撰者あとがき

版元から一言

内容紹介で書いたように、「山月記」とは少しちがった中島文学の魅力をお伝えできるのではないかと思います。
そして、中島敦の妹・折原澄子さんのエッセイ『兄と私』を収録させていただくことができて、より充実した書籍に仕上がったと思います。
兄・敦との想い出の断片と中島敦が亡くなるまでの数カ月、兄妹でともに過ごした日々が中島敦の人柄を想わせ心に響きます。

当時の雰囲気を優先し、漢字は底本通りに旧字体を採用しております。
読者にとって読みやすくなるように、難解と思われる漢字にはルビを付しました。

発行:灯光舎
仕様:180×122mm 上製 カバーなし112ページ
発売日:2021年12月20日
販売価格 1,870円(税170円)
購入数