商品説明
レモン石鹼泡立てる
東直子
共和国
”好きになった本は、ふと思い出しては読み返す。読み返すたびに、心に響く部分がまるで違うことがあり、驚いてしまう。すっかり忘れていた場面に、妙に反応してしまったり。なぜそんなふうに、読むたびに感じ方が変わるのか。答は簡単。自分が変わったからである。本の中身は変わらないのだから。”
日々のことを綴ったエッセイと、日々の中で自分に引きつけてながら読んだ本の書評がフラットに並ぶ構成によって、本を読むことと日常が繋がっているような気持で読むことができる1冊です。大好きな作家や歌人、旅の思い出、なつかしい風景。
ー--共和国紹介文ー--
本のなかの世界は、永遠だ。――多忙な日々のかたわらにある本、大好きな作家や歌人たち、そして旅の思い出。なつかしい風景がよみがえる、待望の書評&エッセイ集。
前書きなど
「好きになった本は、ふと思い出しては読み返す。読み返すたびに、心に響く部分がまるで違うことがあり、驚いてしまう。すっかり忘れていた場面に、妙に反応してしまったり。なぜそんなふうに、読むたびに感じ方が変わるのか。答は簡単。自分が変わったからである。本の中身は変わらないのだから。
年月が過ぎれば自分をとりまく環境や状況がどんどん変わり、身体は年を取っていく。いやおうなく。でも、一度まとめられた本の中の世界は、ぴたりと閉じれば固い表紙に守られて、ずっと変わらない。書いた人が、読んだ人が、どんなに変わっても、たとえこの世にいなくなったとしても、どんなに時代が移り変わっても、本の中の世界は、永遠だ」
――本文より
著者プロフィール
東 直子 (ヒガシ ナオコ) (著)
1963年、広島県生まれ。歌人、作家。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』『十階』などがある。
1996年、「草かんむりの訪問者」で第7回歌壇賞受賞。2006年に初の小説『長崎くんの指』を出版し、『とりつくしま』『さようなら窓』『薬屋のタバサ』『晴れ女の耳』『階段にパレット』などの小説作品がある。2016年には『いとの森の家』で第三一回坪田譲治文学賞を受賞。
エッセイ集『愛のうた』、『一緒に生きる』、歌書『短歌の詰め合わせ』、『短歌の時間』、穂村弘との共著『短歌遠足帖』、絵本『あめ ぽぽぽ』(絵・木内達朗)、『わたしのマントはぼうしつき』(絵・町田尚子)など著書多数。
発行:共和国
シリーズ:散文の時間
仕様:四六変型判 ハードカバー 256ページ
発売日:2022年10月31日