先生の庭
うつわ小説 その3
いしいしんじ
港の人
【うつわ小説シリーズ】
ーーー港の人紹介文ーーー
鎌倉のうつわギャラリー「うつわ祥見KAMAKURA」プロデュースによる「うつわ小説」シリーズの第三作め。
ふとしたきっかけから茶道のお稽古に通うことになった主人公、亜美。鈴の鳴るような声で笑うチャーミングな先生に惹かれ、お稽古仲間の友人たちと交わりながら、亜美はお茶の深い世界へと導かれていく。思いがけないできごと、思いがけない出会いをきっかけに、時を超えた人生の不思議に出会っていく姿が描かれる、力強いストーリー。
「ほんと、お茶碗がそこにこうしてあるってことだけで、じっさい、たいしたことなのよ」(本書より)
「うつわ小説」シリーズは全部で四話、それぞれ独立したストーリーになっています。
プロデュース うつわ祥見 KAMAKURA
ブックデザイン 吉岡秀典+及川まどか(セプテンバーカウボーイ)
装画 矢尾板克則
【うつわ小説とは】
私たちは、自然からいただいたものを「うつわ」に盛っていただきます。
「うつわ」に注がれた水で体と心をうるおします。
家という「うつわ」のなかで日々を過ごし、この世に別れを告げたのち私たちの体は焼かれて「うつわ」におさめられます。
小説家いしいしんじさんが「うつわ」をテーマに書く「うつわ小説」。
このシリーズは、鎌倉のうつわギャラリー「うつわ祥見KAMAKURA」のプロデュースにより誕生しました。
約1年をかけて、4篇の小説を順次刊行していきます。
器はみな土でできています。きのうふと開いたものすごく古い聖書のページに、お前たちは塵として生まれ塵にかえるのだという有名な文言があり、あ、人間も器だな、と思いを改めた次第でした。うつわを書くのは小説の基本なのかもしれません。──いしいしんじ
うつわ小説をずっと夢に描いていました。大ファンのいしいさんに思い切ってご相談したのは何年も前のことのように思います。光栄です! と一言、すぐにご快諾いただき、それから夢のような時間が過ぎました。京都で、鎌倉で、伊豆でも……。
いしいさんの描き出すうつわ小説に胸が高まり、ワクワクが止まりません。
──祥見知生(うつわ祥見KAMAKURA)
■著者
いしいしんじ
作家。1966年大阪生まれ。1994年『アムステルダムの犬』でデビュー。2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲治文学賞、2012年『ある一日』で織田作之助賞大賞、2016年『悪声』で河合隼雄物語賞を受賞。そのほか『ぶらんこ乗り』『プラネタリウムのふたご』『海と山のピアノ』『みさきっちょ』『マリアさま』など多数の著書をもつ。現在京都在住。
■プロデュース
うつわ祥見 KAMAKURA
2002年にオープン、現在は「うつわ祥見onari NEAR」「うつわ祥見KAMAKURA」「うつわ祥見KAMAKURA concierge」(いずれも鎌倉)と「SHOKEN IZU」(伊豆高原)を拠点に、全国および海外のギャラリー、美術館等でうつわ展を開催する。2010年高知県立牧野植物園にて開催した「樹と言葉展」をきっかけに、いしいしんじ氏と親交を深めてきた。
発行:港の人
仕様:A5変型 並製本 40ページ
発売日:2025年5月