商品説明
たった一人の読者を生きる
荒井 裕樹
柏書房
ーーー柏書房紹介文ーーー
“自分にとって本当に大事なものって何なんだろうとか、本当に自分の心を打つものって何なんだろうとか、自分はどういう物事に魂を揺さぶられる人間なんだろうとか、そういう自分の領域を大事にして、誰かに、勝手に、いつの間にか心を動員させられないようにすることはできる。そう思うんですよね。/これから少しだけ、私の「たった一人の読者」体験を聞いてください。(中略)で、もしよかったら、そのあと、あなたの話も聞かせてください。”(「はじめに」)
ロングセラー『まとまらない言葉を生きる』を著した「声の小さな文学者」が新たに綴るのは、これまで語られてこなかった「たった一人の読者を生きる」という経験について。小さな「自分」を守ることで、誰かとつながる12の内緒話。
目次
はじめに――一つの「物語」が居られるところ
「そのむごい人間が自分なんだ」
「川はいつもにごっている」
「日々の谷間に疲れてよりかかるイス」
読めない手紙
「女はすべて美しい」
愛読書にまつわる怖い話
言葉の網目で個を包む
無精卵の哀しみ
素がこぼれる
障害者について考えるのは誰の仕事か
「絶版」にさえなれない
大切な人の大切なものを大切にする
おわりに――欲しいのは語り続けるあきらめの悪さ
あとがき
著者プロフィール
荒井 裕樹 (アライ ユウキ) (著)
1980年東京都生まれ。早稲田大学文学学術院教授。作家、文学者。専門は障害者文化論、日本近現代文学。東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、二松學舎大学教授を経て、2026年4月より現職。
著書に『隔離の文学──ハンセン病療養所の自己表現史』、『障害と文学──「しののめ」から「青い芝の会」へ』、『差別されてる自覚はあるか──横田弘と青い芝の会「行動綱領」』、『生きていく絵――アートが人を〈癒す〉とき』、『障害者差別を問いなおす』、『車椅子の横に立つ人──障害から見つめる「生きにくさ」』、『まとまらない言葉を生きる』、『凜として灯る』、『障害者ってだれのこと?──「わからない」からはじめよう』、『感情の海を泳ぎ、言葉と出会う』、『無意味なんかじゃない自分――ハンセン病作家・北條民雄を読む』など。
2022年、第15回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞。
2025年、第47回サントリー学芸賞(芸術・文学部門)受賞。
発行:柏書房
仕様:四六判 222ページ
発売日:2026年5月11日