商品説明
ミドル・エイジ・ビギンズ
東畑開人
KADOKAWA
ーーーKADOKAWA紹介文ーーー
気がつけば、人生はもう午後。
このままの生き方でいいのだろうか?
中年クライシスの謎を解き明かすべく、40代になった臨床心理士は、4人の心の物語を聞きに行く。
あの人も、悩んでいた。中年期を生きのびるヒントが満載。
インタビューゲスト:尾崎世界観、角田光代、鷲田清一、千正康裕
「たとえば、ある日突然、鏡の向こうや写真の中にミドル・エイジが現れる。そこに映る私は、よく知っている私と違って、どこかで見たことのあるくたびれたおじさんである。」
「ミドル・エイジは日常の片隅にヌルッと姿を現し、私たちを戸惑わせ、驚かせます。そして、ときに小さく傷つけます。」
まえがきより
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ミドル・エイジは、いつの間にか、心に棲み着いています。
(中略)たとえば、ある日突然、鏡の向こうや写真の中にミドル・エイジが現れる。そこに映る私は、よく知っている私と違って、どこかで見たことのあるくたびれたおじさんである。
たとえば、ある日突然、階段で転んだり、腰をやられたりする。あるいは、休みに入るたびに体調を崩すようになる。若い頃とは違って、体は思うように動かず、無理が利かないミドル・エイジを実感する。
たとえば、ある日突然、自分よりも若い人が、自分が狙っていたポジションに抜擢されていたことを知る。気づけば自分の競争は終わっていて、ミドル・エイジがゴールテープを撤去し、祭りの後片付けをしている。
たとえば、ある日突然、好奇心がなくなり、自己模倣的なアイディアしか思いつかなくなっている自分に気がつく。ミドル・エイジの精神は知らないことに興味をもたなくなり、同じことが繰り返されることで十分満足がいくようになっている。
これらのいくつかは、あなたの身の上にも起きたことかもしれませんし、そのすべてが私のこの三、四年で生じていたことです。ミドル・エイジは日常の片隅にヌルッと姿を現し、私たちを戸惑わせ、驚かせます。そして、ときに小さく傷つけます。
(中略)少しずつ少しずつ、ミドル・エイジの影は濃くなっていき、生活の端々でミドル・エイジを散見する機会が増えていきます。すると、あるとき、濃度が臨界点を超え、看過することができなくなる。私の場合、それは二年前のことでした。――まえがきより
目次
まえがき――ミドル・エイジ・ビギンズ
総論 ミドル・エイジの心理学――四つの物語
インタビュー 第一回 尾崎世界観「閉店セールは続く」
インタビュー 第二回 角田光代「竜宮城の働き方改革」
インタビュー 第三回 鷲田清一「ボールを預かり、走り抜ける」
インタビュー 第四回 千正康裕「組織が変わってしまった」
考察――魂の浅瀬
あとがき――ミドル・エイジは「ふふふ」と笑う
著者プロフィール
東畑 開人 (トウハタ カイト) (著)
1983年東京都生まれ。専門は、臨床心理学・精神分析・医療人類学。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。白金高輪カウンセリングルーム主宰。博士(教育学)・臨床心理士・公認心理師。2019年『居るのはつらいよ‐ケアとセラピーについての覚書』で第19回大佛次郎論壇賞受賞、紀伊國屋じんぶん大賞2020受賞。その他の著書に『野の医者は笑う』『心はどこへ消えた?』『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』『聞く技術 聞いてもらう技術』『ふつうの相談』『雨の日の心理学』など。
発行:KADOKAWA
仕様:四六判 右開き 320ページ
発売日:2026年7月2日