商品説明
氷
アンナ・カヴァン
山田和子(訳)
ちくま文庫
”こんなにも、すべてのことが曖昧なのに、読者は「私」と「少女」のみちゆきになめらかに寄り添うことだろう。どこの国ともしれぬ場所に、やすやすと連れてゆかれることだろう。抽象的なようでいながら、たいそう具体的なこの小説に伴走するように、共に疾駆しはじめることだろう”(解説 川上弘美)
氷が全世界を侵食する滅びゆく世界のなかで、ひとりの少女を必死に追い求める主人公。幻想と現実の境界のない描写、終末の気配が濃厚でありながら全貌の見えない状況、心の内面が掴み切れない登場人物たち…。
不安と不穏と、恐ろしくも美しいイメージに引き込まれ、読者をめくるめく小説体験へと導く伝説的名作。
ー−−筑摩書房紹介文ー−−
「見たこともないような美しく冷酷なものに、からめとられる」
――川上弘美(解説)
氷が全世界を覆いつくそうとしていた。私は少女の行方を必死に探し求める。恐ろしくも美しい終末のヴィジョンで読者を魅了した伝説的名作。
異常な寒波のなか、私は少女の家へと車を走らせた。地球規模の気候変動により、氷が全世界を覆いつくそうとしていた。やがて姿を消した少女を追って某国に潜入した私は、要塞のような“高い館”で絶対的な力を振るう長官と対峙するが…。迫り来る氷の壁、地上に蔓延する略奪と殺戮。恐ろしくも美しい終末のヴィジョンで、世界中に冷たい熱狂を引き起こした伝説的名作。
アンナ・カヴァン
イギリスの作家。1901年、フランスのカンヌ生まれ。ヘレン・ファーガソン名義で長篇数作を発表後、『アサイラム・ピース』(40)からアンナ・カヴァンと改名。不安定な精神状態を抱え、ヘロインを常用しながら、不穏な緊迫感に満ちた先鋭的作品を書き続ける。世界の終末を描いた傑作『氷』(67)で注目を集めたが、翌68年に死去。
発行:筑摩書房
シリーズ:ちくま文庫
仕様:文庫判 288ページ
発売日:2015年3月10日