商品説明
望楼館追想
エドワード・ケアリー
古屋美登里（訳）
創元文芸文庫
”ぼくは白い手袋をはめていた。両親と暮らしていた。でも、小さな子どもではなかった。三十七歳だった。下唇が腫れていた。白い手袋をはめていたが、召使ではなかった。ブラスバンドの奏者でも、ウェイターでも、手品師でもなかった。大事なものを集めた博物館の学芸員だった”
孤独で奇妙な住人ばかりが暮らす古びた集合住宅・望楼館。自分の過去、現在、未来からも逃れようと、ひっそりと暮らすその館に、新しい入居者がくることによって、忘れたいと思っていた彼らの過去が揺り起こされていく…。
鬼才ケアリーの比類なき傑作が復刊です。
とほん店主も偏愛する小説なので、嬉しいです。
ー−−東京創元社紹介文ー−−
孤独で奇矯な住人ばかりの古い集合住宅〈望楼館〉
だが、新しい入居者の存在が、
忘却の彼方にあった
彼らの過去を揺り起こす･･････
鬼才ケアリーの比類ない傑作、ここに復活！
創元文芸文庫【翻訳部門】第1弾
かつては大邸宅だったが、今や年月に埋もれたかのような古い集合住宅、望楼館。住んでいるのは自分自身から逃れたいと望む孤独な人間ばかり。語り手であるフランシスは、常に白い手袋をはめ、他人が愛した〈物〉を蒐集し、秘密の博物館に展示している。だが、望楼館に新しい住人が入ってきたことで、忘れたいと思っていた彼らの過去が揺り起こされる。創元文芸文庫海外部門の劈頭を飾る、鬼才ケアリーの比類ない傑作、ここに復活。
発行：東京創元社
仕様：文庫版 576ページ
発売日：2023年1月30日
