商品説明
うんこ文学 漏らす悲しみを知っている人のための17の物語
頭木弘樹(編)
ちくま文庫
”読んでくださったみなさまが、「うんこ」と聞いたときに、今後は、生きるかなしみということを、少しでも思い浮かべていただけたとしたら、とても嬉しいことです”(あとがきより)
生きるかなしみとしての排泄を、漏らしたときのせつなさを、見事に描ききった文学作品を集めたアンソロジー。古今東西の作品から選び抜かれた17編です。小説、エッセイ、自伝、体験談、評論、落語、漫画まで。たぐいまれなる名作集です。
ー−−筑摩書房紹介文ー−−
人間は、食べて、出します。しかし、食事と違い排泄は人に見られた場合ずっとトラウマになることもあります。漏らす悲しみを知る人のための17編。
「万人に共通する悲劇は排泄作用を行うことである」芥川龍之介
生きるかなしみとしての排泄を、漏らしたときのせつなさを、見事に描ききった文学作品を集めたアンソロジー!
編者は、自身も漏らした体験のある文学紹介者・頭木弘樹。
古い作品から新しい作品まで、日本の作品はもとより海外の作品まで、純文学も娯楽作も、小説だけでなく、エッセイ、自伝、体験談、評論、落語、漫画まで、さまざまなジャンルから幅広く、選びに選び抜かれた、究極の「うんこ文学」名作集。編者、渾身の1冊です!
下痢はとうとうその日も止まらず、汽車に乗ってからもまだ続いていた。――谷崎潤一郎『細雪』より
尾辻克彦 山田風太郎 筒井康隆 バルザック 山田ルイ53世 阿川弘之 阿川淳之 吉行淳之介 谷崎潤一郎 桂米朝 佐藤春夫 伊沢正名 山田稔 ヤン・クィジャ 土田よしこ ラブレー 品川亮
【内容紹介】
うんこ。だれでもうんこをする。日々のことだから、ときには失敗もする。でも、みんなそれを隠す。うんこは下品、汚いと嫌がられる。下ネタとして笑話にするのがせいぜい。人前で漏らしたりしたら、それだけで多くを失ってしまう。それはなぜなのか? 生きるかなしみとしての排泄、漏らしたときのせつなさ、それを見事に描ききった文学作品を、自身も漏らしたことのある編者が集めた、渾身の名作選!
目次
編者からのご挨拶 生きるかなしみとしての排泄
第一便 ある日、ついに……
[帰り道で漏らす]
私小説
出口 尾辻克彦
[家から最も遠い地点で]
エッセイ
春愁糞尿譚 山田風太郎
第二便 人間としての尊厳を失う漏らし
[大勢の前で漏らす]
感染症小説
コレラ 筒井康隆
[漏らさせられる]
フランス文学・評伝
ルイ十一世の陽気ないたずら(抄) バルザック[品川亮 新訳]
(『おかしな小話』より)
第三便 隠せないにおい
[においが教室に充満]
自叙伝
ヒキコモリ漂流記 完全版(抄) 山田ルイ53世
[ドリアンだと思ったら……]
エッセイ
黒い煎餅 阿川弘之
[親子三代]
エッセイ
トルクメニスタンでやらかした話 阿川淳之
第四便 うんこへの特別な思い
[夕陽を見て漏らす]
エッセイ
石膏色と赤 吉行淳之介
[美しい便の幻想]
日記形式の短編小説
過酸化マンガン水の夢 谷崎潤一郎
[よくないものを出す]
落語
祝の壺 桂米朝
第五便 うんこと真剣に向き合う
[自分の大便を見つめる]
随筆
黄金綺譚 潔癖の人必ず読むべからず 佐藤春夫
[あえて外で出す]
実践談
野糞の醍醐味 伊沢正名
(『くう・ねる・のぐそ 自然に「愛」のお返しを』より)
[うんこへの思いを分類]
評論
スカトロジーのために 山田稔
(『スカトロジア(糞尿譚)』より)
第六便 うんこのせつなさ
[トイレを使わせてもらえない]
韓国文学
半地下生活者 ヤン・クィジャ(梁貴子)[斎藤真理子 新訳]
[女性が大を漏らす]
少女マンガ
ピクニックにきたけれど…の巻 土田よしこ
(『つる姫じゃ〜っ!』より)
番外編1 お尻の拭き方
お尻を拭く素晴らしい方法を考え出したガルガンチュアに、グラングジエが感心する ラブレー[品川亮 新訳]
(『ガルガンチュアとパンタグリュエル物語』より)
番外編2 編集者の打ち明け話
お尻と大便のことにつきまとわれる 品川亮
あとがきと作品解説
著者プロフィール
頭木 弘樹 (カシラギ ヒロキ) (編集)
文学紹介者。筑波大学卒。大学三年の二十歳のときに難病になり、十三年間の闘病生活を送る。そのときにカフカの言葉が救いとなった経験から、2011年『絶望名人カフカの人生論』(飛鳥新社/新潮文庫)を編訳、10万部以上のヒットとなる。さらに『絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ 文豪の名言対決』(草思社文庫)、『ミステリー・カット版 カラマーゾフの兄弟』(春秋社)を編訳。著書に『食べることと出すこと』(医学書院)、『落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』(ちくま文庫)、『絶望読書』(河出文庫)、『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』(春秋社)、『自分疲れ』(創元社)。ラジオ番組の書籍化に『NHKラジオ深夜便 絶望名言』(飛鳥新社)。名言集に『366日 文学の名言』(共著、三才ブックス)。編者を務めたアンソロジーに『絶望図書館』『トラウマ文学館』(共にちくま文庫)、『絶望書店 夢をあきらめた9人が出会った物語』(河出書房新社)、『ひきこもり図書館』(毎日新聞出版)がある。NHK「ラジオ深夜便」の『絶望名言』のコーナーに出演中。日本文藝家協会、日本うんこ文化学会会員。
発行:筑摩書房
仕様:文庫判 368ページ
発売日:2023年2月13日